言葉ではたりない。

 12月24日,祖母が亡くなった。86歳だった。
プレゼントに買っていった髪飾りは,
祖母がなくなるまでの約1ヶ月,ずっと彼女と一緒だった。
ピンク色にきらきら光ったその髪飾りは,彼女にとても似合っていた。
 
 髪飾りは,一緒にもっていってもらった。
燃やした後の髪飾りは,ピンの部分だけ黒く焼け残っていた。
それも骨壺にいれてあげた。

 私は,祖母の遺骨をもらって帰った。
小さな欠片を2つ。指と言われた部分だったと思う。
全て骨壺に収めきれず,他の人の骨と一緒に捨てられるだけならば,
私が持っていてあげた方がいいと思った。
「粗末にしなければいいんですよ」と火葬場の人もいった。
でも,親族の中でそうしたのは私だけだった。

一つは父に渡した。最初は少し躊躇していた父も
「まさちゃん,まさちゃんって可愛がってくれたしね。
じゃあお父さんが一つもらおうかな」
といった。
父は,祖母のことをとてもとても大切にしていた。
祖母も4人兄妹のなかで父のことを一番かわいがっていた。

祖母がガンであることを最初に知ったのも父だった。
父の判断で告知はしないことにした。
それが,祖母にとって良い判断だったのか,そうではなかったのか,
父はずっと考えていたようだった。
 
 
 12月29日に戻ってきた。
それからはずっと研究室に泊まり込みだった。
その間も,祖母は一緒にいてくれた。
1月11日,なんとか修論を提出した。

友人や私の彼まで私の修論を手伝ってくれた。
もちろん,両親や姉,そしてもちろん祖母も私を応援してくれた。

本当にありがとう。
心から感謝しています。